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小山 勇カウンセラー (東京都)
◆◇物を豊かにしようと思う考え方が、心の病を増やしてしまった◇◆
心の病を抱える方が増えていることをどのようにお考えですか。

 昭和30年代から、高度成長時代をむかえて、働けば結果が出て、どんどん夢や希望が叶っていきました。 そういう面ではいい時代でしたが、物を豊かにしようと思う考え方が、心の病を増やしてしまったと思います。

 そういう人たちが、私たち団塊の世代で、子供のしつけをうまくできていなかったのですね。 今は、団塊世代の子供たちが親になっています。

 これからは、将来に対する社会不安の要素も重なり「心の病気」の予備軍の人が急増するのではないかと心配しています。

 「何で心の病が増えたのか?」と考えるより、「なるべくしてなった」と言えるでしょう。

 今の状況は、もう10年、20年、もっと前から考えられることだったのです。
 自然破壊、環境破壊と同じです。

 急に増えたのではなくて、以前からその土壌はできており、そのことに気づいた今「心の病気」として一気に爆発してしまったと考えています。

◆◇「殴られることによって、私は役に立っている」と思ってしまいます◇◆
小山カウンセラーのところに来られる相談者の方というのは、どういう方が多いのですか?

 30代の女性が圧倒的に多く、ほとんどパニック障害をかかえています。
 共通点は、ご主人の暴力、浮気、借金です。

 また通常、妻は夫から暴力を受けると逃げるのが普通なのですが、中には逃げない女性もいるのです。 このように暴力を受けながらも逃げない状況、関係を続けていくと「共依存」という「心の病気」になってしまいます。

 妻は「殴られることによって、私は夫の役に立っている」と思ってしまいます。
 夫は、妻を殴ることによって、自分の鬱憤を晴らすのに必要な存在と考えます。
 お互いのこうした「ゆがんだ依存の関係」が成り立ってしまいます。
 こうなってしまうと、回復は大変困難なものとなってしまいます。

 こうなる前に、緊急処置として、一時別居させるための「緊急避難」をさせます。 私がウィークリーマンションを手配して、奥さんとお子さんに避難してもらうこともありました。 それで、私がご主人とお話しをするのです。

 ご主人は、外部の人に状況を知られると、暴力をふるわなくなるようです。
 ご主人は、手をあげる瞬間に、私が「また来る」と思うからです。
 第三者がこないと分れば、暴力はふるい続けられてしまうのです。

女性の方々はどのような思いで、小山カウンセラーのところに来られるのでしょうか。

 「相談所や精神科医に行くのですが、真剣にとりあってもらえない」と言います。 真剣に、というと誤解がありますが、症状を抱えている方が急増しているので、お医者さんが、ひとり一人に対しての時間がとれないのです。

 病院では、症状を聞いて、「この薬を飲みなさい」となります。 そして、院内のカウンセラーも、医師と同じような考えや応対をします。

 これでは、相談者は心を開けないのです。 多くの相談者の方は、「カウンセラーの心が開いていないので、私も心を開いて話せない」ということを強く訴えています。

 また、カウンセラーの一言に、失望をして「私は絶望の淵に追いやられたと」と言われる方も多いですね。 カウンセラーは、言葉を吟味しよく選んで、話さなければいけません。

 残念ながら、今のカウンセラーの方たちの傾向は、「資格ありき」なのです。 カウンセリングは資格でするものではありません。 カウンセラー自身が「人の心の痛み」を経験していなければ、相談者の「痛み」を本当に理解することはできません。 従って「心ある」カウンセリングはできないのでしょう。

 カウンセリングは養成教室で学んだマニュアルで、できるものではないのです。 ひとりひとりが違うのですから。

 医師やカウンセラーは、冷静に相手を見て、観察しようとするので、時には相談者にとって「冷たい視線」に思えるのです。その対応は分かりますし、悪気もないでしょう。しかし相談者は、どうしても視線が、「私のことを冷たく見下ろしている」と感じてしまいます。

 相談者の方は心が弱っている半面、精神が過敏になっていますので、相手の姿勢や態度から「人となり」を決め付けてしまうのです。

 これを防ぐには、カウンセラー自身が「実は私も辛い思いをしたことがあるんですよ」と言って、共通の立場を作ってあげると大変効果的です。

 相談者はほっとするものなのです。



◆◇私は幼い頃、お酒を飲んで暴れる父を、いつも泣きながら「父ちゃんやめて!」となだめていたものです。◇◆
小山様ご自身も辛いご経験がおありだとHPで拝見いたしました。

 私もこれまでさまざまな「心の病気」になり、苦しみましたが、克服してきました。私は病気になる前から、心理学、哲学に興味がありましたので、勉強してきました。「自分がなったら、どうするだろう」と思っていたら、実際になってしまいました。

ご自分で病気になられたことを、どのようにして分かったのですか?

 不安神経症になった時の私は自殺願望が強かったですね。
 「死んだら楽になるぞ!」という声が頭の中に聞こえるのです。その声を打ち消そうとして、家の柱や壁、床などに頭をぶつけるのです。それで頭はいつもかさぶたができていました。さすがに自分の行為を自分でおかしいと思い、知り合いの精神科のお医者さんに問い合わせて、初めてわかりました。

 私は幼い頃、酒乱の父を泣きながら「父ちゃんやめて!」となだめていたので、
 反抗期はありませんでしたね。それでストレスを解消することなく育った私は、ある日突然「心のやまい」として発症してしまったのです。「出るべくして出た」「なるべくしてなった」と言えるでしょう。

 また子どもの頃の恐怖体験が原因で、対人恐怖症になってしまいました。「人に会えない」「人の目が見られない」「赤面」や「どもり」「震え」がひどかったです。
 こんな状態でしたから、床屋さんも嫌いでした。床屋さんに行くと目の前の鏡に自分の顔が真っ赤になっていくのが分かるので、行けなくなりました。

 私が不安神経症を発症したのは、38歳ですから、もう20年前のことです。
 当時のお医者さんは30分から1時間くらい、じっくりと話のやりとりをしてくれました。

そうなのですか。そんなに時間をかけてくれたのですか。

 当時のお医者さんには私は大変感謝しています。

 お医者さんが、ある日わたしにこう言いました。「私は毎日毎日皆さんのお話を聞いていると、私自身も辛くなるんです。だから私も安定剤を飲んでいるんですよ」と笑っていました。

 正直私は感動しましたね。
 そして、「この先生は信頼できる」と思いました。
 それで、私はその先生には何でも話ができるようになったのです。
 先生はみずからの弱さを見せることに、私を安心させてくれたのです。

症状ががまったくなくなられたのですか?

 はい。不安神経症が治ったときは、これまでの対人恐怖症も全くなくなってしまいました。つまり「視線恐怖」「赤面」「どもり」「震え」もなくなったのです。本当に奇跡のようです。

 それから講演もするようになりました。しかし最初は一字一句原稿に書いて、読み上げるようなことしかできませんでした。でもそれでは聴衆の感情に訴えることは出来ないのです。そこで原稿を一切無しにしました。

 私はクリスチャンですから「どうか落ち着いて話すことができますように!」と始まる前にお祈りします。そして、話が始まると、不思議なことに「これを話しなさい」という声が後ろから聞こえるようでした。どんどん、話をしていくと、一人一人の顔の表情が分かるようになってきます。「あの人は寝てるなあ」とか、「あの人はメモしている」とか。

 また悲しそうな顔をしている人を見つけるとお話が終わった後、声をかけるようにしていました。そういう時は必ず良い交流がもてたものです。

◆◇あなたが何処にいようと、あなたは決してひとりではありません。◇◆
まず小山カウンセラーからお話をされるのですか?

 相談者のお話をじっくり聞くことがやはり一番大切ですから、それにはまず、こちらから話しやすい雰囲気をつくり、それからお話していただきます。相談者が心を開き、お話しされていくうちに、その会話の中で見えてくるものがあります。

 「今はこういう傾向が見られますが、何か心当たりはありますか?」というように聞いていきます。

 またそのやりとりの中でタイミングを見て、私の実体験を率直にお話します。私自身が味わった苦しみや地獄の日々などです。そして、「こんな私でも、苦しみから回復することができたのですから、あなたが回復しないわけはありません」とお伝えします。

 そうすると、相談者の方は「カウンセラーもそんな経験をしたのか!そして回復できたんだ!」ということで、相談者は希望を持つことができるのです。

 そして、これが一番肝心なことなのですが。
 相談者は、カウンセリングが終わった後、次回のカウンセリングまでの間、とても不安になるものなのです。

 私の場合は、その間を、「私は毎日あなたのためにお祈りします」と伝えます。
 つまり、相談者の方が夜の10時に寝るとすると、私はその時間、自宅で相談者の方のためにお祈りさせて頂きます。

 この行為によって、相談者の方は、「小山さんが今晩もお祈りしてくれている」と思ってもらえるので、たとえ離れていようと時を同じくして共有感、一体感を持つことができるのです。

 あなたが何処にいようと、あなたは決してひとりではありません。

 私自身も病気になったときに、私が9時に床に入ることを知った、30人の教会員の方が、それぞれの自宅で、一斉にお祈りしてくれました。「ああ、自分は今祈られているんだ」という思いがすごく助けになりました。もう涙がボロボロ出たものです。しかし本当に心強く大きな安心感を与えられました。


 私のカウンセリングの特徴は。

●会ったときのカウンセリングと同様に会えない時の空いた時間も「お祈り」で、共有の時間をもち、共有感・一体感で繋がっていることです。
●また、私のほうから、「私も弱い者で苦しみましたが、回復できました」とカウンセラー自身も弱い者であることを知らせることです。

 そして、それから回復した希望を伝えることで、相談者は希望をもつことができます。

◆◇私がこれだけ苦しんで、リストカットまでやっているのに、『どうして家族が分かってくれないのだろう』◇◆
苦しんでいる方の、まわりの方はどの程度理解されているのでしょうか。

 苦しんでいる方のほとんどの悩みは、私がこれだけ苦しんで、リストカットまでやっているのに、『どうして家族は分かってくれないのだろう』ということです。
 実際、家族の方から「お前が私たち家族全員を困らせている!」と言われているケースは多いですね。

「パニック障害」や「欝」を抱えている方は、家族から、「あんた元気じゃない、働けるでしょう」と言われることがよくあります。

 しかし、外に出ると「過呼吸」になったりして、働くことができないのです。それでも、どうしても理解してもらえないのが現実です。

家族というのは、どうしたらいいのでしょうか?

 本来は、家族が一番のカウンセラーだと思います。
 「心の病気」を持たれたご家族は「なぜ?娘は仕事ができないんだ?」という、疑問を抱くことはよく分ります。

 私がご家族の方に求めたいのは、病気を理解するために、知識を得て欲しいということです。本を読めば、「なるほど、娘はこれで苦しんでいたのか」と分かります。

 同時に、「心」と「体」は繋がっており、目に見えている部分だけで「心」を判断したり、決め付けることはできないことが分かるでしょう。

 本当は、ご本人と家族の方と一緒にカウンセリングするのが一番いいと思っています。それが訪問カウンセリングではできるのです。訪問のいいところですね。

実際訪問カウンセリングはどうやってされるのですか?

 本人を真ん中に、両脇にご両親に座っていただきます。
 まずご両親に、見た目には分かりませんが、娘さんにこういう症状があります。そして「こういう経過を経て症状が出ます」と説明します。

 きちんと家族の方にお話すると、「そうなんですか、私たちは誤解していました」という方が多いです。

 専門家の言うことだからとやっと信頼してくれます。精神科も本来は、家族で行ったほうがいいですね。家族の方も一緒に医師の話を聞いて欲しいものです。

◆◇「喜怒哀楽」豊かに感情の表現ができるという状態はいいですね◇◆
心をいい状態に保つために、心とどうつきあっていったらいいのでしょうか?

 喜怒哀楽が今自分にあるかどうかを確かめることです。自分は最近よく泣いているか、最近よく笑っているか、声に出して笑っているか、を確かめます。

 例えば「きれいな花だなあ」「夕日がきれいだなあ」「ちょっとこわそう雲だなあ」と感情が反応することです。

 しかし、心の病にかかると、喜怒哀楽がなくなり、みんな、どんよりしてしまいます。
 だから、「喜怒哀楽」豊かに感情の表現ができるという状態はいいですね。

 あんまり激しい人は、困りますが、普通に涙を流すのはいいことだと思います。
 感動する映画を見て、ポロっと涙を流すとか、楽しいシーンがあったら、「わっはっはっ」と笑うとか。このような感情の発露はとてもいいことです。

 心の中には「アンテナ」があります。

 心の中には「アンテナ」があって、その「アンテナ」は、プラス思考波とマイナス思考波を選択して拾うことができます。その「アンテナ」がマイナス思考波のほうに向いていると、マイナスの情報、つまり「怒り」や「憎しみ」など悪い情報ばかりを拾ってしまいます。

 そうすると、自分の心が怒りであふれて、自分から出てくる言葉というのは、「怒り」や「憎しみ」に溢れたものになってしまいます。

 一方、プラス思考波のほうにアンテナが向いていると、プラスの情報つまり「感謝」「謙虚」などを拾います。またプラス思考波をさしている場合は、たとえ、マイナスの情報があっても、この情報はいらないというように、取捨選択できるのです。

プラスのほうにいかせることはできるのですか?

 私は、よく「自分の心を点検しなさい、見つめなさい、そこから命の泉が湧く」と話すのですが、今自分の心の中にどういう思いがあるのか、毎日考えています。

 その日の出来事や思いを整理することが大切です。

 ●うまくいったことや朗報には感謝します。
 ●口げんかなどして後悔していることがあれば反省すべきです。

 そして明朝、謝ろうと決断することです。

 例えば、喧嘩すればその時は「怒り」があるでしょう。しかし、いつまでも「怒り」に身を置いておくことは心身にも良くありません。

 たとえ自分は悪いとは思わなくても、自分から謝ることはいいことです。自分から「ごめんね」と謝ると、相手も、こちらこそ悪かったと謝るものです。多く場合、誠意をもてば「ありがとう」「ごめんね」の2つでほとんどが解決するものです。しかしそれでも相手が受け入れなかったら、もうそれは忘れましょう。

 「寛容」の心を持つことが大事ですね。

他にもプラスに向かわせる方法はありますか?

 私は、「散歩」と「日記」を勧めています。
 「いつも歩いている道でも、今日は違った目で見てください、何処に何があるか確認してください、こんなところにこんな花が咲いていたかな?というように、きっと何か見つけることができるはずです。

 これは小さいことですがすごいことなのです。
 「それをノートに書いてください」と。

 そうすると「こんな発見をしました」と書いてきてくれます。
 発見する喜びを感じていくうちに、心の「アンテナ」はどんどんプラスのほうへ向いていきます。

 色々なものに興味をもつようになり、外に目を向けていくようになります。
 たった一輪の花でも、きれいだなと思ったら、心は回復しています。
 感情の発露ができ、感動する心を取り戻しているからです。

ノートに、まとめられるようになってきたら、今度はどうされるんですか?

 まとめてこられると、感想が必ずあります。それに対する会話をしていきます。意見交換をしていくうちに、快方に向かっていって、自分が意識しないうちに、よくなっていきます。「今日は家事をしたけどが、心地良かったです」とか、「楽しかったです」というように。

そうなると、いい状態でずっといられるのでしょうか。

 またいつ悪くなるかは分かりません。
 ですが、一度回復した人というのは、「原点回帰」と言うものがあります。
 人は一度癒されたところに帰れば「そうだここで私は治ったんだ」と思い出し、新しい力が湧いてきます。

 辛い思いをしてきた人でも、とらえ方で人生は大きく変わるものです。
 私の過去を知らない人は、「小山さんってぼんぼん育ちで、何の苦労も知らないでしょう」ってみんな言いますよ。

 私は、自分で言うのも何ですが、随分辛い思いをしてきました。
 でも、私のことを知らない人の言うことにいちいち逆らわないんです。
 「いかにも私は苦労しました」みたいな顔に見られるのもいやですからね。

◆◇いつも一緒に話をしましょう。◇◆
小山カウンセラーは、どのようなカウンセラーでいたいと思われますか?

 私は「カウンセラー」という名前はあまり好きではありませんね。
 それで、私は、あなたの「おとなりさん」という言葉を使います。
 いつも一緒に話をしましょう。そういう存在でいたいですね。

 今は率先して外に出て、近所のおじいちゃんやおばあちゃんと交流をもつことに努めています。

 おばあちゃんの家でお茶をご馳走になりながら話をすることもあります。
 今では近所の皆さんからは「お兄ちゃん」って呼ばれています。

◇質問◇
皆様が、インタビュアーでしたら、小山カウンセラーにどのようなことを聞いてみたいですか?(150文字以内)


皆様の聞いてみたいこと
◆◇小山 勇カウンセラーのご紹介◇◆
小山 勇
心の扉「希望の光」
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