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  トップカウンセラーインタビュー
 
小長谷 俊行カウンセラー (東京都)
◆◇医療とカウンセリングの使い方◇◆
ホームページを拝見して、夫婦・親子・働いている方の問題を中心にされていると思いましたが、いかがでしょうか。
 私が対応できるものであれば対応しています。お子さんから七十歳くらいのお年寄りまで、いろいろな問題に対応しています。
特に最近多い悩みというのはあるのですか?
 夫婦の問題が多いです。また、鬱などで休職中の方のサポートが多いです。復職したいと言って来られる方が多いですね。会社から、「復職に向けて、カウンセリング受けたらどう」というようにすすめられてこられる場合もあります。
復職したいというかたが来られた場合、どのような話をされるのですか?
 まず休職するまでにどのような精神的な支障があったか、落ち込んでしまったかということをお聞きします。原因究明ですよね。

 多くの皆さんは、休職して病院にいっていることが多いんですよね。薬物療法をしているんですよね。病院に行っていても、カウンセリングを受けていないようですね。何度も休職して復職される方も多いです。

 皆さんが勘違いしているのは、病院へ行って薬を貰って、医者と話をすることがカウンセリングだと思っている人がいますが、あれはカウンセリングではありません。だからよくクライアントの方にいうのですが、休職する場合は、例えていうなら、野球でピッチャーが肩を壊した。肩を痛めたから、しばらく投げるのをやめましょうというのが休職ですよね。医者が薬物療法で薬をくれる、あれは、肩の痛みをとる薬でしょう。だから医者がやれることは、痛めた肩の痛みをとるということです。

 でも肩を痛めた理由が、投げすぎたのであれば、投げる量を減らしたり、投げるのをやめれば傷はいえますよね。そうしたらまた投げればいいですよね。
 でもフォームが悪い、肩を痛める投げ方をしているのであればフォームを変えなければいけない。また投げ始めたらまた痛くなるでしょう。医者はフォームを治せないんですよね。

 医者は、肩の痛みをとることができても、フォームをなおすことができないから、フォームが悪くて肩を痛めたのであれば、もう一回登板(会社でいうなら復帰)したらまた同じことが起きるのではないですか?って私は言うのです。

 でも皆さんはそういうことを知らないまま、鬱になったら、薬を飲んでうつ状態が治ったら復職、職場に戻ればいいと思われている。医者も復職OKと言うんですよね。うつ状態が軽くなる、まあまあ普通の状態になれば復職をOKとします。なぜそうなったか原因を究明しないですね。

 薬物療法とカウンセリングを両方やることによって、非常に良くなると言われているのに、片方しかやっていない方が多いですね。
両方を行うことがいいのですね。
 医者が、何故、こんな精神的に落ち込んだのか、あるいは職場で上手くいかないのかということをきちんと見つめたほうがいいですよと、そのためにカウンセリングを受けたほうがいいですよと言ってくれればいいのですが、そういう医者は、少ないですよね。

 これは医者から直接聞いているわけではないので解らないのですが、医者は、まだ日本のカウンセラーに対する信頼感がうすいと思うんですね。心理カウンセラーは国家資格にもなっていないし。病院に専属のカウンセラーがいて、そのカウンセラーがカウンセリングするのであれば、信頼できるとしても、もしかしたら、知らないところのカウンセラーでは心配だという面があるかもしれないですね。

 あるいはカウンセリングというものに信頼を置いていないか。一部聞く話では、カウンセリングでは原因究明をしたり、過去を話したりすることがかえって精神的に良くない、原因や過去のことなんかに触らないで薬をのんで治ればいいんだというお医者さんもいるということも聞いたことがあります。
カウンセリングが信頼されるようになるといいと思いますが。
 医者というのはしっかりと勉強し、研修して、国家資格をとったひとがやっているわけですよね。医者でも弁護士でも、必ず2年間の研修期間がありますから、それからお金を貰って大事な病気や法律の問題にかかわるわけです。
 日本で権威があるといわれている臨床心理士であったとしても、大学院をでて、試験に合格できれば、資格がもらえる、その制度、仕組みにも問題があると考えています。
 アメリカの臨床心理士、セラピストは、2000時間カウンセリングをしないと資格をもらえないというんですよ。2000時間って大変な時間。それくらいしていれば、日本の医者も任せてみようかなという気になるかもしれません。

 これから精神的な、うつ病患者というのは、統計上100万人ですが、潜在的にはその数倍いるだろうと言われています。ですが、受け入れ体制ができていません。
 きちんとした対処をしていれば治っている方が沢山いらっしゃると思いますが、対処していない方や間違ったやり方で悪化している方、慢性化している方がいるのではないでしょうか。
◆◇職場や学校でのカウンセリング◇◆
小長谷カウンセラーはEAPをされていますが、会社でのカウンセリングの利用はいかがですか?
 会社でのカウンセリングの利用率は、平均すると1%強、2%いかないですね。多いところでも5%くらい。この2%という数字をどうとらえるか(必要性がないのか利用が少ないのか)ですが。
2%くらいなのですか。
 心の問題を抱えていている方はもっと多いと思います。先ほど話のように、鬱などの症状があっても、どうして病院へいかないかということと同じだと思います。

 人間というには、いくところまで行かないと受けないのでしょうか。軽い症状のときに受けたほうがいいと思うのですが。人間って簡単に助けを求めないと思うんですよ。簡単に助けを求める人は問題なく済むと思うのですが、とことんまで行かないと求めない方は・・・。日本人は、精神的な問題が、後ろめたいというか隠すじゃないですか?

 メンタルの健康というのは、大事なのですが。
メンタルの健康について教えてください。
 メンタルな面に対する健康に対する意識が低いというか、あるいは不健康になった時の解除のしかたが日本人はできていないということがあります。

 私はスクールカウンセラーもしていますが、部屋に来る生徒や保護者もすごく少ないです。せっかく、国の予算を使ってスクールカウンセラーを日本全国に配置していますが、私の推測でいうとすごい利用率が低いと思いますよ。 スクールカウンセラーは週1回。8~17時まで、生徒、保護者の相談、場合によっては、教師の相談も受けます。保健室の理口から入って相談室にいける出入口がある学校あるようです。

 人に見られたくないというのと、人に相談するということに抵抗感があるんでしょうね。相談室とかスクールカウンセラーについて、先生によっては、「悩みごとがあるなら俺のところに来い!なんで相談室にいくんだ」という先生もいまだにいますし。子供達も気兼ねしてしまう・・・。子供たちは、先生の問題は先生に相談できないですよね。担任に相談しないで、相談室に相談に行くというのは、抵抗を感じる、不満をもつ先生もいますから。先生達が、困ったらスクールカウンセラーのところにいけと言ってくれたらいいのですが。
周りの大人がなにか困ったことがあったら、相談室へ行けっていってくれると安心して行けそうですね。
 教師という教育の専門家とスクールカウンセラーという精神的な専門家という役割がきちんとできていない。連携を組むという体制が学校にはできていない。毎日くる学校の先生にとって、週に一回くるスクールカウンセラーは、なにかよそ者、異分子が入ってやっている感じがするのかもしれません。
職場ではどのようなことでカウンセリングに来られるのですか?
 上司との関係。厳しい上司から叱責を受けて大変苦しいとか、同僚との関係がうまくいかなくて会社に居場所がない。自分に能力がなくて上手く人と話ができない。コミュニュケーションができないということが多いようですよね。

 コミュニュケーション力とかアサーションとか、自分の思いや考えを上手く伝えられないとか、もっと雑談ができなくて困っているとか。仕事の話はできるけれども、談笑ができないとか。
そういう時はどんなお話をされますか?
 私がよくいうのは、面白い話をしようとか、相手を楽しませてあげようなんて考えなくていいから、まず相手の話を聞いて、相槌をうつ、まずこれでいいんです。自ら面白い話をしようとしても、急にはできない。人の話したいと思っていることを聞いてあげれば、それが一つのコミュニュケーションになるし、解らなかったら質問すればいいんだから。カウンセリングの基本みたいなものですね。
そう聞くと、気持ちが楽になれそうですね。
 少しは楽になりますね。クライアントの方で、職場は私服でもいい方がいました。いつも地味な色の洋服を着ていたので、それならピンクのセーターとか明るい色を着ていったらどうですかって言いました。席も入り口の近くなので、元気良く挨拶してみたらどうかと。

 以前と違って明るく元気な声で挨拶をしていたらイメージが変わるから、そこから入ってみたらどうですか?というと、それならやれそうだからやってみます・・・とおっしゃっていました。
その方には洋服や挨拶などを変えたらいいのではと思われたのですか?
 その方には、まず行動から入って、これから、認知(考え方)の方に入っていけたらと思っています。
どうなりたいのかは、自分では分からないこともありますね。
 最初から問題意識を持っていてこうなりたいと思っている方もいれば、何が問題でどうなりたいかというのが外れている場合もありますよね。

 話していくと段々と見えてくるというところがあるんですが、そこが難しいところです。本人が本当に願っているものとなりたいものが少しズレていることもります。
◆◇カウンセリングでの話しとは?◇◆
カウンセリングでの話しとは?
 例えば、上司との関係について悩まれている方が、「自信を取り戻したい」と言って、仕事で成果をあげれば自信を取り戻せると考えていました。
 そこで、「まずは、小さな成功をあげることはどうですか?」と提案すると、
「小さなことをしても私のこの自信喪失感は、回復しません」とおっしゃるので、
「大きな成果を今の状態で上げられますか?」と聞きました。
「あげられません」と・・・。

 いろいろと話をして、自己分析などをやっていって、気がついたことは、自分は自信を取り戻したいと思っていたけれども、そうではなくて自分のもっている実力を100%出し切ることができればいいのではないかということでした。それを人にどう評価されようといいと思っていると。

 今自分は、気力も低下しているし、力の半分も出せていない。自分のもっている力を100%出せるようになりたいんだということに気がつきました。そこで、その部分をもっと掘り下げていきましょう、ということになりました。

 「では、どうやったら100%だせるんでしょうか」と話しをすすめると、
 「どうしてもブレーキがかかってしまう。周りには、どんな環境でも100%出している人がいる。自分は、環境のせいにはしたくない。やれている人がいるんだから自分は100%出したい・・・でも出せない」と言いました。

 何がブレーキになっているでしょうか。何がブレーキになっているかをみつけましょう、ということになりました。また話し合っていく中で、自分が100%出し切ろうとしたときに、何がブレーキになっているのかというと、100%出しても相手に、自分があんなものかと見られるのが怖いということだったのです。そう見られるのが怖くて、無意識のうちにブレーキをしていたんだとに気がついたんです。

 本人の本来、訴えていたことではなくて、話していく上で何が問題か違ってくることがあります。カウンセリングでは、毎回毎回自己分析作業を主とする場合もあります。クライアントが自己分析をする作業をカウンセラーが支援することによって何に悩んでいるのか、何が必要なのかということを気づきます。
カウンセリングの時間ってそういうふうに深まっていくんですね。
 毎回毎回話し合っていくことで、「こんな心の癖があった」「こんなゆがんだ認知があった」って気づきます。きちんとしたフォーマットでやる場合と対話形式でやっていく場合とありますね。
その人に合わせてやっていくのですか?
 そうですね。
 あまり問題について触れたくないと思っている方には、触れません。本来はなぜ、そうなってしまったかということに踏み込みたいところもあったのですが、ただ、癒しの場、励ましの場としてサポートをしたほうが、この人の場合はいいかなと思って、来ても世間話をしたりします。

 ソーシャルサポートがあることによって、多少辛いことがあっても安定を確保できるのであればいいかなと思う場合もあります。精神的なところが安定すればいいですよね。今は支えが必要ですが、いわゆるギブスをしているようなものですよね。
◆◇小長谷カウンセラーの今後について◇◆
今後、小長谷カウンセラーは、どのようなことをされたいですか?
 スキルを身につけたいと思っています。いろいろなケースに対応できるには、少ないより沢山あるほうがいいですよね。言葉でいうと、『マルチモードカウンセリング』というみたいです。いろいろなケースには、いろいろなアプローチが必要だと思いますから。まだまだ足りないと思っているので身につけたいと思っていますね。

 実践の、訓練の場がないから、仕組みを作らなければいけないですね。カウンセラーが育たないし、上達しないし、広がらないと思います。臨床心理士を国家資格にすればいいと言うわけではないのですが、国家資格にするのだったら医者同様に2年間、どこかのカウンセリングセンターや病院でカウンセラーとして研修させるということを制度としてやって欲しいです。

 個人では限界がありますが、自分で機会を見つけて、一生勉強、一生訓練ですよね。認知療法っていう分野の技法でも、第1世代の行動療法、第2世代の認知療法、今アメリカでは第3世代まですすんでいて、こういう技法も発展・進歩しているんです。

 技法も理論もどんどん進歩しているのだから、それを吸収して学んでいきたいと思っています。
◇質問◇
皆様が、インタビュアーでしたら、小長谷カウンセラーにどのようなことを聞いてみたいですか?(150文字以内)


皆様の聞いてみたいこと
・自分は、カウンセラーと一緒に話し、自分をしっかり見つめた時間がよかったと思う。 インタビューを拝見し、当時を思い出した。 心理カウンセリングはまだまだ知られていないですから、カウンセラーの皆さん、がんばってください。
◆◇小長谷 俊行カウンセラーのご紹介◇◆
小長谷 俊行
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