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【 カウンセラー特集(7)】
 第7回は、2007年、心に残る出来事、一言、若しくは、今年起きた出来事に対して
 カウンセラーの方がお感じになったことなどについてお書きいただきました。
 今年1年間を振り返りながらご覧ください
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 「いじめ自殺とうつ病」
本多 弥生

 今年も、残すところあと1ヶ月ほどとなりました。
 猛暑、そして長く続いたあとに秋らしい秋も感じられないままに、突然冬がやって来たような年でした。

 「今年の思い出」として、何か心温まるようなものをお届けしたいと思いを巡らせたのですが・・・。やはり心に残っているのは「残虐な事件」や「痛ましい事件」など世間を騒がせた出来事の数々です。

 私は、兵庫県の明石市在住ですが、兵庫県でも東隣の神戸市で、7月に私立高校の3年男子が校舎から飛び降りたという報道、10月には西隣の加古川市で小2の女の子が玄関脇で刺殺されたという報道が流れました。

 私自身も思春期の子どもを持つ一人の母親として、これらの報道に深く心を痛めました。

 さて、後者の残虐な事件に関しては、またの機会に考察をすることにして、前者の中高生のいじめによる自殺について少し考えてみたいと思います。

 実は、私のちょっとした知人で、臨床看護歴約40年というベテラン看護師さんでもある方がこんなことをおっしゃいました。「私の息子がもしいじめに遭遇するとしたら、いじめられて自殺するような弱虫よりも、いじめる側の方がまだたくましくて良いわ」と。

 決してこの方を批判するつもりはありませんが、私はこの言葉を聞いて「いじめ自殺」についての世間の方の理解のなさを、改めて痛感させられました。

 「いじめ自殺」は、いじめだけが原因なのでしょうか?
 いじめられたことが自殺へと飛躍することをどのように考えればいいのでしょうか?

 中高年を中心に自殺者が急増した原因は、バブル崩壊以降の不況であると思われています。ですが、リストラされた人の多くが自殺しているわけではないので、不況と自殺の間には「何か」があるはずなのです。

 そして、この「何か」こそが「うつ病」の罹患りかんであると考えられています。

 いじめ自殺もこれと同じように考えるべきであり、「いじめ=いじめ自殺」ではなく、つまり、いじめられている子の何%かが、うつ病にかかり、うつ病に罹った子の何%かが自殺願望を持ち、自殺願望を持った子の何%かが実際に自殺を企図し、自殺を企図した子の何%かが実際に自殺によって亡くなってしまうと考えるべきなのです。

 「いじめ自殺」は、たとえば学校への不適応や家庭的な問題、もちろん、いじめも含めた何らかの原因によって、まず「抑うつ状態」になり、その何%かが自殺願望を持ち、その後、親や先生からの適切なサポートが受けられないことや、また更なるいじめがきっかけになり、自殺企図に至ってしまうと考えられます。

 学校が急に生徒たちを対象に「いじめがあったかどうか」を調査し、「うちはいじめがなかった」「うちはいじめが何件あった」と報告や評価をするだけでは、根本的な自殺対策にはつながらないと思います。

 身近な教師や親が早期にうつ病を疑い、専門医に繋げていただきたいと思います。

 そして、どうか「いじめで自殺する子は心の弱い子」などと言った心ない言葉を口にされる方が身近にいらっしゃいましたら、上記のような内容を説明してあげていただきたいと思います。




2007/11/28
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