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会話の『行間』を読む
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私たちは、会話をすることで相手のことを理解したり、
自分のことを分かってもらったりしています。
そのこと自体はごく当たり前で、それ以外の方法よりも
ずっと効率的に行われているからだといえるでしょう。
確かに言葉以外の身振りや表情、態度などからも
相手の気持ちや考えていることなどが分かることもありますが、
それは言葉のもつ伝達効果を強調したり、
補足したりしながらより明確に伝えるためのものであることが
多いものです。
実際に言葉を全く話さずに、
自分の気持ちや考えを身振りや表情だけで伝えてみようとしてみれば、
その難しさが分かってもらえると思います。
それほど大切な言葉ですが、私たちはどれほど大事に扱っているのでしょうか。
私たち日本人は特に、言葉を省略して話すことが多いといわれます。
主語を言わずに話しても、相手は省略された部分を補いながら
理解していますし、最後まで言い切らなくてもその意図を汲み取って
聞いてくれるのが一般的です。
そのため親しい間柄になると、それこそ”あ・うん”の呼吸あるいは、
”以心伝心”といった感じで、ほとんど何も言わずに、こちらの意図や考えが
相手に伝わっているということも経験しているのではないでしょうか。
複数で部屋にいるとき、少し寒く感じられたので、「ちょっと寒くない?」と
誰に言うでもなくつぶやいてみたとしましょう。
それを聞いた誰かが、「じゃ、窓を閉めよう」と言って窓を閉めてくれたり、
「それじゃ、エアコンでもつけようか」と言ってエアコンのスイッチをつけて
くれたりするでしょう。
この一連の言葉だけを見てみると、少し変なところがあることに
気がつきませんか。
”寒くない?””窓閉めよう”
あるいは”寒くない?””エアコンをつけよう”となっているのが
お分かりでしょうか。
言葉だけを取り出してみると、この会話って成り立っていないように
感じられませんか。
本来なら、”寒くない?””ほんと、寒いわね”、
あるいは、”寒くない?””そう?あんまり寒くないわよ。”
といった感じになるのではないでしょうか。
これは、どうしてなのでしょう。
実はこの部分に会話の重要な秘密が隠されているのです。
一度、こんなことを試してみてどうでしょうか?
会話をしていて、相手が「~けど」と言って話が途切れたとき、
「『けど』なあに?」と言った感じで更に聞いてみるのです。
相手はきっとびっくりするでしょう。
そして、その後話を続けるのが難しくなるでしょう。
そこにあるのは、気持ちを言葉で表現している姿なのです。
”悲しい””嬉しい””楽しい”などストレートな言葉の表現ではなく、
複雑で簡単には言葉に出来ない気持ちを、
”けど”という途切れた形で表現しているのです。
実際に、”けど”と言う言葉を除いても話が全く違う意味になったり、
言葉が伝えようとしている内容を損ねたりといったこともないことに
気がつくと思います。
おそらくそれほど意識せずに使っているでしょうし、
言われても気にすることもないくらいささいなことかもしれません。
もちろん、ここで取り上げた話が全ての場面で当てはまると言うわけでは
ありませんが、そういうこともあると言う意識を持って会話をすると、
それまでとは違った感じで会話をすることが出来るのではないでしょうか。
よく読書などで言われる、”行間を読む”を会話で行っているようなもの
だという感じかもしれません。
初めのうちはちょっと戸惑うこともあるでしょうが、
慣れてくると、それなりに楽しくなってきたりもします。
一度、試してみてはいかがでしょう。
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長谷川 栄司カウンセラー
カウンセリングルーム ケアセルフ
(東京都)
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