一人の人間として

 昨年度、本年度と2年連続、市民館で開催している「思春期」に関する講座に参加しました。小学校の教諭出身という前歴と、お客様に「思春期」に悩んでいる方が増えてきたことで、自分の勉強と講座に参加している方のお役に立てればと考えたからです。

 講座の進め方は共通していて、講師をお呼びしてお話しを聴いたり、ワークショップを行ったりというものです。企画した委員の方は「お父さんにも来て欲しかった」と仰っていたのですが(昨年度は土曜日の午後)、私以外には男性の参加はありませんでした。

 実際、父親が子育てに積極的に参加していれば、ここにお母さんが来なくても済むかも知れません。参加したお母さんの声のほとんどが「男の子は何を考えているのか解らない。聞いてもはなしてくれないし・・・」だったからです。

 2年間通して講義をして下さった方は10人ほどになります。現場で「生」の問題や悩んでいる親子に接しているカウンセラーとして2つのことが気になりました。本当に「カウンセリングマインド」を持っておられるのかな・・・?と。

 一つは、講義されている方が、ご自分の経験や価値観から抜け出せない場合です。そういう方の冒頭の自己紹介は共通しています。「自分の地位・位置」「自分の経歴」「自分の実績」から入ってきますね、先ず・・・。

 若いお母さんたちは、その内容に驚いてしまい、話す内容も立派に感じてしまうようです。勿論実績に裏打ちされた現在の地位は、成功を収めてこられたためなので否定はしません。でも、よく聴いていると、質問の回答などでも上手に自分の庭に引き込んでなされています。

 質問をされたお母さんは、説得力のある口調に押され、何となく解ったような気になるのですが、具体的・実践的な答えではないので、いざ我が子に向かった時に「頭では理解したつもりなのに、我が子との関係でどうしたらよいか解らない・・・」という結果になっているようなのです。

 もう一つは・・・これは全ての講師に共通しているのですが・・・「思春期」の子どものことを扱っているのに「男の子の場合は・・・?」「女の子の場合は・・・?」や「父息子」「母息子」「父娘」「母娘」という関係の場合分けがなされていなかったことでした。

 男の子、女の子の「思春期」の迎え方は大きく異なります。そこから生じる親子関係も異なります。思春期に入った子どもから見える親の姿も重要な要素です。それも男の子・女の子では異なってきます。その説明があって、親御さんの我が子に対する接し方が見えてくるのに・・・。

 先日のカウンセリングでも、娘に対する接し方に悩んでうつ病になったお母さんに「思春期の娘」の心の中身を細かくお話ししたところ「何もできることはないと思っていたのが、自分のやることが見えてきて希望を持てました」とニコニコ帰って行かれました。

 同性であると我が子のことを理解できていると思い込んでいる親御さんがいます。同性であること以外「遺伝子」も「生まれてきた時代」も「我が両親」も「身の回りの玩具」も「目にする景色」も「友達や先生」も「食べ物」も「欲求を充足させてきたものも人も状況」も全てが異なっているのです。




 竹内 浩 カウンセラー
希望と安らぎのカウンセリングルーム パティオガーデン
(神奈川県)


本屋さんの本も、理想論っぽくて、現場の声が重要だと思います。
(2008/05/15 14:48)
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